ローマ観光のつもりが、フィレンツェ通いに。私を狂わせた「馬蹄型コインケース」の自作沼。



イタリア・フィレンツェで制作されている、“縫わない”レザークラフト。 観光のつもりが、気づけばローマからフィレンツェへ何度も通い詰めてしまうほど、この技が持つ「構造の妙」にどっぷりハマってしまいました。


きっかけは、「心地よく、長く使い続けられるもの」を自分の手で作りたかったこと。 どんなに良い革でも、どうしても先に糸がダメになる。それなら「縫い目がなければ、もっと長く一緒にいられるはず」──。 そのシンプルで理にかなった美しさに触れたとき、「これを自分の手で形にしたい」と強烈に思ったのです。


ただ、いざ自分で作ってみると、これが驚くほど難しい。 革の硬さ、弾力、そしてしなやかさ。針と糸に頼れない分、型紙のコンマ数ミリのズレや、革の厚みのわずかな違いがすべて形に出てしまう。 だからこそ、理想の曲線を生むための革選びには、人一倍こだわりが詰まっています。



「一生モノ」の、その先を求めて


きっかけは、かつて手にした高級な革財布でした。 「一生寄り添ってくれるはず」と信じていたのに、数年後、予想外のところが傷んでしまったんです。


革そのものはまだ綺麗なのに、縫い糸が擦り切れ、そこから少しずつ崩れていく。 「どうして、ここからダメになるんだろう?」


その疑問を突き詰めて気づいたのは、“縫い目”こそが、レザーにとって一番の弱点になるという事実でした。 それなら──「縫わなければ、もっと長く、綺麗に保てるんじゃないか」。


その仮説への答えを探して、私はフィレンツェの伝統技法にたどり着きました。


もちろん、絶対に壊れない魔法なんてありません。 けれど、試作を重ね、実際に自分で使い込んでいく中での「びくともしない堅牢さ」には、確かな手応えを感じています。


最近はコインケースを使う機会も減りましたが、だからこそ、ふと手にする瞬間に「やっぱり、これが一番いい」と納得できる。 そんな、自分なりの「正解」を求めて、今日もこの“縫わない革”と向き合っています。



まとめ


レザーって、掘れば掘るほど底なしに面白い世界です。 自分の手で扱うからこそ、素材の機嫌一つで表情が変わるのがよくわかる。


使い込むほどに、自分だけの表情を見せてくれる。 そんな「時間の積み重ね」を、作る側としても、使う側としても、じっくり楽しんでいきたいと思っています。


そんじゃーね!

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